2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『春琴抄』谷崎潤一郎著

谷崎潤一郎の作品を讀むのは實はこれが初めてである。段落がほとんどなく句讀點も所々つけられてゐない谷崎の文章は私にとつて新鮮であつたが、それがこの小説の持つ獨特の雰圍氣を形作つてゐた。 盲目といふやや俗世間から離れた環境の中での生活、更に既に…

『中二病』などのレッテル

最近になつて、インターネット上でよく見掛けるやうになつた言葉の一つに『中二病(廚二病)』がある。中二『病』とは言つても病氣ではなく、これは『中學二年生頃に見られる背伸びしがちな行動や言動』を揶揄するもので、「しばしば中二病として嘲笑の対象…

『はつかねずみと人間』ジョン・スタインベック著

スタインベックの著作を讀むのは、『怒りの葡萄』以來である。『怒りの葡萄』は1930年代の大恐慌の頃に大地主に土地を追はれた農民の過酷な生活と苦しみゑがいたものだつたが、『はつかねずみと人間』もこれと時代はほぼ同じである。 『怒りの葡萄』に出て來…

『ネトウヨ』の定義

最近になつてよく見掛けるやうになつた『ネトウヨ』といふ言葉。テレビ番組等でも取り上げられたので、知つてゐる方も多いであらう。この間ツイッター上でこの言葉に關する議論が展開されてゐるのを見て、はつと氣づかされたことがあつた。今回はそのことに…